世紀末のドイツやオーストリアで興った、ゼツェッション（セセッション）。分離派と呼ばれる芸術運動は、　”それまであった芸術から分離して、新しい芸術を創造”　　を目指した芸術家連盟です。クリムトを代表とするウイーン分離派運動は日本でも良く知られていますから、皆さまもイメージしやすいと思います。
フランスのアール・ヌーヴォーや、イギリスのアーツ＆クラフツとも趣を異にした表現方法が何とも魅力的で、彼らの表現する独特な世界の映像が目に浮んできます。
最後のの２点の画像は、Koloman MoserデザインWiener Werkstatte １９０４年ウイーン。Ver Sacrumのイラスト　１９０２年　Leopold Bauerデザイン。
このペンダントとの共通性を感じることができます。

さて、このゴールドペンダントも、普段私たちが目にするアンティークジュエリーのデザインと趣がどこか微妙に違います。
モノグラムのようでいて植物を描いているようでもあり。一本の曲線で描かれたデザインは、明らかにアール・ヌーヴォーの影響を見て取ることができますが、それとは違う、フランス的ではない、デザインのインパクトを感じさせます。マット加工されたゴールドの曲線は、太さや、わずかな高低差を付けるなど、細かくデザインされています。ルビーとダイヤモンドの配置も絶妙です。
これだけ複雑な曲線を描くせいでしょうか、側面を見ると、このペンダントは二つのパーツを組み合わせて作られていることが分かります。これも素晴らしい技術です。デザイナーがデザインを起こし一流の職人が製作したのでしょう。ほんとに素晴らしい！
動画 https://www.instagram.com/p/DD1OFJESi4V/?img_index=7

アンティーク　ジュエリーの中で、その希少性から価格の上昇が顕著です。同時に、分離派スタイルの持つ独特な魅力は、多くの愛好者を引き寄せています。ぜひこの機会に、その魅力を体感してください。

製作年代：１９００年頃
製作国：オーストリアorドイツ
素材：ルビー、ダイヤモンド、ゴールド
サイズ：幅2.3cm
＊現代物チェーン別売り

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