19世紀末にウイーンで作られたゴールドブローチ。

オーストリア＆ハンガリー帝国は１８６７年～１９１８年まで存在した、ハプスブルク家が統治した最後の帝国です。（フランツ・ヨゼフ1世からカール1世国王）　
オーストリア＆ハンガリー帝国時代のジュエリーを手に入れることはそんなに多くはなく、よく目にするのは、主に割と安価なシルバー製品やボヘミアンのガーネットなどです。しかし数は多くありませんが、稀に中々個性的で良質なジュエリーに出会うことがあります。このブローチも一目で魅力的なジュエリーであることが分かります。

サファイヤとダイヤモンドで模られたパンジー。そこから伸びるゴールをのラインの曲線が、この作品がアール・ヌヴォーの様式で製作されたことを示しています。ですから１８９０年～１９００年頃に製作されたと推測できます。裏側を見ると１８７２年～１９２２年の間にウイーンで製作された１５Kの刻印が打たれていますので間違いないでしょう（画像図参照）。

写真でも分かると思いますが、ゴールドで作られた葉の装飾が円を描きながら幾重にも交差したデザインで、ひねりを施すなど手の込んだ見事な作りになっています。表面は少しマットな平面仕上げ。宝石の輝きを上手く引き出す効果を感じさせます。

東ヨーロッパにも波及したアール・ヌーヴォーの芸術運動。
ハプスブルク家の最後の帝国。歴史の中で輝く素敵なブローチ。

パンジーは愛を伝える花です。

動画 https://www.instagram.com/p/DB552WgyjUv/?img_index=1

製作年代：１９００年頃
製作国：オーストリア＆ハンガリー敵国
素材：サファイヤ、ダイヤモンド、ゴールド
サイズ：2.5cm×2.7cm
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