Rock Crystal Intaglio & Gold Fob seal ロココ・バロック ロッククリスタル インタリオ & ゴールド フォブシール
¥880,000
フォブは懐中時計に繋げるチェーンを意味し、
シールは印章のことで、この場合は蝋封するものです。
皆さんが良く目にするフォブシールの殆どは、
1830年頃にイギリスで製作されたものだと思います。
19世紀初頭には実に多くの様々なスタイルのフォブ シールが作られました。
お洒落なジェントルマンの身だしなみの一つとして大切なアイテムだったのでしょう。
今回ご紹介するこのフォブシールは、
それ以前のおそらく18世紀初期から中期に作られたものです。
ですから、大流行した時代よりも100年も前の物になるわけです。
製作年代特定の根拠の一つは、ゴールド部分の装飾です。
この曲線の描き方とシェルの装飾で分かる通り、
この様式は明らかにBaroqueバロックから
Rococo ロココ装飾のスタイルを表しています。
二つの様式が混在している(この二つの判別は難しい)
装飾から上記の時代を推測できます。
またロッククリスタルに描かれた紋章を見ると、
インタリオの彫り方が、19世紀のスタイルと明らかに違うのが分かります。
すこしプリミティブな素朴さを感じさせます。
描かれた紋章を見てみましょう。
トップに王冠。その下に二つの盾。
左の盾の上部に双頭の鷲。右の盾には蛇が見えます。
その他、鳥や松明、塔のようなものも描かれています。
盾のサイドには剣を持った戦士と立ち上がったライオン。
一番下にはMの文字でしょうか。
二つの盾が一つの紋章になっているのは婚姻によるもので、
二人の紋章を合わせたデザインです。
インタリオのディテールを見ると、非常に複雑で細かに描かれており、
この紋章はかなり立派な紋章だということが分かります。
まず、トップの王冠はドイツ公爵冠のように見えます。
双頭の鷲は時代的にはオーストリア、神聖ローマ帝国(ドイツ王)を表しているのでしょう。
そして、口に何か(人間)咥えた蛇はイタリア、ミラノ公国のスフォルツァ家(元はヴィスコンティ家)の紋章です。
歴史を見ると、ミラノ公国は1707年にオーストリアに征服されています。
その後スペイン、フランス軍との争いにより、
1738年にウイーン条約が結ばれ、引き続き領有されています。
このような経緯を見ると、ハプスブルク家のヨーゼフ1世(1705-1711)、
カール6世(1711-1740)、カール7世(1742-1745)王の時代に、
ミラノ公国との何かしらの政略的な婚姻があったのではないかと推測できます。
どうでしょう、バロックとロココの芸術様式と、
ミラノ公国を巡る争いの史実が見事にマッチしていますね。
このような歴史と文化がこのフォブシールに隠されているのです。
特定の人物までは分かりませんでしたが、
300年余り前のヨーロッパ貴族のだれかの所有物だったのです。
ワクワクしてきますね。
美しい装飾と共に、一つのジュエリーの中に隠されたストーリーが、
私たちの心を惹き付けます。
動画⇓
https://www.instagram.com/p/C-XTkEayMuy/
素晴らしいコンディションが保たれています。
ペンダントとして使用に適した大きさで実用的。
ロッククリスタルのインタリオは憧れです。
大変美しく、貴重な素晴らしい作品です。
歴史を繋ぐ担い手にあなたもなってみませんか。
◯製作年代:18世紀初期から中期
◯製作国:神聖ローマ帝国、ミラノ公国(推定)
◯材素:ゴールド、ロッククリスタル
◯サイズ:高さ2.0cm、インタリオ2.3cm×2.0cm
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