スネークデザインのパールが取り巻いたブローチです。
中心はガラスケースのロケットになっています。
撮影用に小さな花をロケットに入れてみましたが、元々は綺麗に編んだ髪の毛が入っていたはずです。

この様なパールが取り巻きヘアーを入れたブローチやリングは、1800年前後に流行したスタイルです。皆さんの中には、ヘアーが入っているジュエリーはモーニングジュエリーと思われる方がいると思いますが、文献を見てみますと
・・,has been associated almost entirely with death,
this is a modern-day misconception.
Much of the jewellery containing hair is,
in fact,a token of love and friendship.
Women would make up pieces with their children's hair
as keepsakes and as heirlooms of the future.
・・ほぼ死に関連付けられていますが、これは現代の誤解です。
ヘアーが入ったジュエリーの多くは愛と友情の証。
女性は記念の品や未来の宝物として
子供の髪の毛が入った品を作りました。

とあり、結婚の愛の証とされている、とも記述されています。モーニングの場合は、ブラックエナメルが使われ、明確な死を表すモチーフやメッセージが刻まれていますので、ＬＯＶＥとＤＥＡＴＨのすみ分けがされているのです。
さて現在、アンティークジュエリーならではのロケットが見える（見せる？）ブローチを
どんなふうに使うかは、もうあなた次第ということです。
今回は花を入れてみましたが、写真を入れたり、自由にお使い頂ければいいと思います。

このブローチの特筆すべきことは、パールの美しさとセッティングの素晴らしさ。パールのグラデーションもすごい。
この時代のパールは、何とも言えない特徴的な色合いと輝きがあり、とても心惹かれるパールが使われています。また、埋め込むように隙間なく並べるセッティングが本当に見事。
ヴィクトリアンのパールを使ったジュエリーとはまた少し趣が違う印象を受けます。

ゴールドで覆った裏側は丸く盛り上がった滑らかな作り。形はそら豆のようなシェープ。
表面にCFのモノグラムが彫られています。

Eternity 永遠を象徴するスネークのモチーフに、この時代の人々の思いが込められているようです。
ジョージアンジュエリーの素朴さや穏やかな優しさを感じさせる、とても素敵なブローチですね。
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製作年代：1800年～1830年頃
製作国：イギリス
素材：パール、ルビーゴールド
サイズ：2.4ｃｍ×1.5ｃｍ