このブローチのデザイン要素は、１８世紀に流行したRococo ロココの様式から発想を得たものです。白いエナメルで飾られたアーカンサスの葉、グレーのパールを中心に置いたダイヤモンドが敷き詰められたロカイユ、ブローチのベースに広がるゴールドのハニカムなど、何と華やかで魅力的なブローチでしょう！

１7３０年頃から１7７０年頃に流行したロココのスタイルは、左右非対称、CとSのスクロール、アーカンサスの葉模様、自然のモチーフ、そしてロカイユなどで飾った贅沢なデザインです。フランスで登場したこの独特なスタイルは直ぐにイギリスにも伝わります。それまでの古典的デザインから解放された華やかなスタイルは、当時のイギリスでは「モダン」スタイルとして人気を集めました。

このブローチは、１８８０年代に起こった１８世紀のフランス芸術を再評価する運動のなかで、ロココ様式の重要性が再評価されたことに基づいて制作されたものす。芸術愛好家や象徴主義の作家による唯美主義的なロココ趣味は、当時のフランス芸術の重要な要素で、ジュエリーデザインにもその影響が及んでいます。

裏側や横から見た写真をみると、このブローチがどれほど時間をかけて丁寧に制作したか想像できます。そして、これを制作したジュエリー美術職人がどれほどの宝飾技術を持っていたのかもわかります。
素晴らしいデザインを、美しいままジュエリーとして具現化するのは簡単なことではありません。細部まで芸術性の高い、美しいジュエリーを制作するという強い意思がないと、これほどのジュエリーは作ることができません。

高い宝飾技術をもった、芸術家にしか作れない魅力的な作品です。
貴重なロココ・リヴァイヴァルジュエリーを、ぜひ手に入れてください。
Instagram 動画
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制作年代：1870年～1880年代
制作国：フランス、イギリス　（刻印なし）
素材：エナメル、ルビー、パール、ダイヤモンド、ゴールド、シルバー

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