Georgian Amethyst & Gold Brooch ジョージアン アメジスト & カラーゴールド ブローチ
¥462,000
19世紀初期のジョージアンジュエリーをご紹介します。
ナポレオン時代の古典主義の終焉とともに1820年頃から自然主義的なスタイルが、フランス、イギリスで流行しています。写実的に様式化された花や葉のデザインの大流行は、マリー・アントワネット時代のリヴァイヴァルスタイルで、スクロールワークと様式化した豪華なフラワーヘッドが飾られています。
この時代は、長く続いた戦争の影響で、貴金属と宝石は非常に高価なものになっていました。ですからこの時代のジュエリーは、最小限のコストで最大限の効果を生むようにデザインされ、半貴石を多く使用しています。アクアマリン、トパーズ、アメジスト、クリソベリルなどブラジル産の宝石はクローズドセッティングしフォイルが敷かれているのが特徴です。
そして宝石は、カンティーユと呼ばれる、テンドラル(巻きひげ状の装飾)やスクロールなどの繊細なゴールドのワイヤーワークで飾られています。フィリグリー(金線細工)や粒金などの装飾も使われています。
カンティーユの細工は1830年代に流行の頂点に達しましたが、制作に大変時間を要したことから、1840年までにルプセ・ワークと呼ばれる打ち出し細工に取って代わります。ルプセ・ワークは、板状のゴールドを裏側から打ち出し立体的に草花の造形を描いた見事な金細工で、少量の金でジュエリーを大きく見せる効果を発揮しています。
そして、この時代のもう一つの特徴的な装飾は、カラーゴールドの使用です。金合金の割り金に使用する金属によって金の色を変え、草花を表現しているのです。
花の部分には銅の割合を多くした赤味を帯びたゴールド、葉の部分は銀の割合を多くした緑がかったゴールドを使い、マット仕上げと光沢を帯びた仕上げなどを、巧みに組み合わせた素晴らしい金細工です。
このブローチは、中心にフォイルバッキングしたクローズドセッティングのアメジスト(1.2cm x1.7cm)が置かれ、上下に大きく開いた花、その間に大小の葉が置かれています。アメジストに近い4枚の葉は他の部分と違う色のゴールドが使われ、表面には葉脈が美しく描かれています。この大きな葉の横には、カンティーユのテンドラル、ベースになっている他の部分は、ルプセ・ワークと、1820年から1840年までの自然主義的なジュエリーの数々の装飾を見ることができます。どれも現代では再現することが難しい素晴らしい金細工です。
200年余り前のこの時代のジュエリーは、とても繊細な金細工が施されているので破損してしまっていることもしばしばですが、運のいいことにこのブローチはとてもいい状態が保たれ、大きく破損している所はありません。そしてゴールドの変色なども無いので、表面に施されたすごい装飾をよく見ることができます。美しい。
アメジストの裏側部分のゴールド面に、何か文字のようなものが描かれた跡が見えますが、残念ながら確認できません。名前や年代、メッセージなどが刻まれていたのかもしれませんね。ブローチピンのキャッチャー部分に刻印がありますのでフランスで作られた物でしょう。200年前にフランスで制作されたこのブローチは、その美しさに加えて、歴史を感じさせる品格も併せ持っています。
貴族の装飾品を所有する喜びとともに、現代のスタイルと合わせて身に着けてお楽しみいただけます。自分へのご褒美や、大切な方への贈り物としても最適です。
制作年代:1830年頃
制作国:フランス
素材:アメジスト、ゴールド
サイズ:3.5㎝ x 3.2cm
*リガード・メールマガジン会員の方は、会員特別価格でご購入できます。
メルマガ会員登録は
https://www.regard-antiquejewellery.com/mailmag/