小さなダイヤモンドの周りをハーフパールが取り巻いた、花をデザインしたゴールドリング。11830年頃にイギリスで作られたものです。　
このとても愛らしいリングには、良く見るとひとつひとつの形が微妙に違う、シルバーを感じさせるパールが使われています。（真円ではなく少しペアシェープ）それを半分にカットし、隙間なく埋め込むようにセッティングしていることが分かりますか。中央の少し高い部分に埋められたダイヤモンドのセッティングも絶妙で、この手の込んだ作業はかなり高度な宝飾技術が必要なはずです。このような、指摘されないと気付かない細部に、美しさの根源があるのです。

そしてリングのショルダー部分の金の装飾もとても美しい。当時の金細工の特徴を表す、打ち出しの軽やかな作りで、細部のディテールの自然な表現が素晴らしい。
バロックやロココを思わせる躍動する自由な曲線で描かれた茎の装飾で、この部分は二本の茎が絡み合うようにデザインされ、空間が作られています。表面を窪ませた部分のなど、とても凝った作りになっていて、心惹かれてしまいます。

5個のペアシェープのパールが印象的なクラスターリング。パールの花の部分の直径9mm
裏側にヘアコンパートメントがあります。

動画
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10年余り前までは、ジョージアンのパールのクラスターリングを探すのはそれほど難しくはありませんでした。今でも、コンディションの良くない物は沢山ありますが、今回ご紹介のような、オリジナルコンディションで状態も良く、そしてデザインの良い物は本当に手に入れるのが難しくなっています。天然真珠の異常な値上がりと、ジョージアンジュエリーの希少性から価格も値上がりがりの一途をたどっています。
アンティークジュエリーを知れば知るほど、ジョージアンジュエリーの醸し出す独特な魅力に抗えなくなっていきます。

◯製作年代：1860~1870年代
◯製作国：イギリス
◯素材：ブラッドストーン、18Kゴールド、
◯サイズ：表面直径9mm、指＃13（変更可）
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