Platinum Art-Deco Intagrio Ring プラチナ アール・デコ インタリオリング
¥50
SOLD OUT
19世紀後半に工業化と共に近代化が進んだヨーロッパは、20世紀になるとより機能的なアール・デコのデザイン様式が発展していきます。1910年代に芸術様式として発展したアール・デコは、第一次世界大戦後には建築やグラフィックデザイン、プロダクトデザインのほとんど全域で全盛となっています。
そうした中ドイツの建築家、ヴァルター・グロピウスが設立した、バウハウスから生まれたデザインは、20世紀のモダニズムデザインの潮流を作り上げました。
バウハウスのモダニズムとアール・デコ精神が広まり、ジュエリーデザインにも影響を及したのは明白なことです。
このリングを見てみましょう。プラチナという新しく貴重な素材にイニシャル・モノグラムをインタリオしたこのリング。
六角形のフォルムの中に、直線的に組み合わせたSMのモノグラムがインタリオされています。それ以前の時代の、強弱を付けた流麗なモノグラムとは全く違ったこのデザインは、デザインの簡素化と抽象化という、モダニズム運動の特徴を良く表しています。
このSMのモノグラムデザインを見て私が思い浮かべたのは、バウハウスから生まれたワシリーチェアです。
この筒状のスチールパイプを折り曲げて作られた椅子の形状は、自転車のハンドルのパイプから発想を得たということですが、溝を掘ったような直線的で角ばったSMのインタリオデザインと雰囲気が似ています。唐突に思われるかもしれませんが、どちらもそれ以前にはなかった表現方法で、モダニズムデザインの精神を表現しています。
ジュエリーの世界におけるアール・デコのモダニズムデザインの精神として、一つ忘れてはいけないことがあります。それは ”ファッショナブルである” ということです。この世界で言うとクールな一面(無機質な冷ややかさ、カッコよさ)を感じさせるデザインでなくてななりません。
このリングを見てみると使用されたプラチナはシルバーのように黒く変色せず、白い輝きが持続する、新しく魅力的な素材。前衛的なデザインと革新的な素材の組み合わせはとてもクールで、当時の最先端を行く人々を魅了していたことでしょう。
タマラ・ド・レンピッカ
当時のセンセーショナルな芸術家で
アール・デコを象徴す女流画家。
ファッショナブルで冷ややか、そして官能的な彼女の作品は
モダニズムとアール・デコの世界を象徴しています。
左は、『オートポートレート・緑のブカッティに乗るタマラ』
1925年に製作された自画像。
このリングも同時代に製作されたもので、
当時の世界を想像してみると、このリングの魅力も倍増してきます。
ジュエリーは1937年頃を境に白の時代(プラチナ、ホワイトゴールド)から、赤味を帯びた鏡面ゴールドの時代へと変わっていきます。戦争の始まりと共にアール・デコが終焉を迎え、ジュエリーは芸術性から離れ、より強くファッションの流行と結びついていくことになります。
(これは現代ジュエリーの始まりと言える変化)
歴史と芸術の精神性が理解できると、手に入れる意義と楽しみがわいてきます。
ブランド名が無くとも、そのものの価値を自分自身で見つけられるのは何と素晴らしいことでしょう!
100年近く前にフランスで作られた、アール・デコのプラチナリング。ソリッドで緊張間のあるいい重さ。
男性にもお奨めのリングです。
製作年代:1930年前後
製作国:フランス
素材:プラチナ(フランス刻印)
サイズ:表面1.4cm×1.2cm
指サイズ#12(変更可)
*リガード・メールマガジン会員の方は、会員特別価格でご購入できます。
問い合わせは regard9618@gmail.com までご連絡ください。
メルマガ会員登録は
https://www.regard-antiquejewellery.com/mailmag/