コーラル（珊瑚）の朱と、ブラックエナメルのコンビネーションが印象的な、アール・デコのリング。
第一次世界大戦後の社会変革の中で、人々の生活や芸術に対する表現の変化はジュエリーにも大きな影響を及ぼしています。
アール・デコの芸術運動の中で生まれた表現方法は、第一次大戦前までの貴族社会の中で続いてきたものとは全く違うクリエイションによってもたらされています。そのひとつのとして生まれたのが、異国の美術様式を元にした表現方法です。
このコーラルとブラックエナメルの組み合わせは、シノワズリとよばれる中国美術の影響を受けたもので、エキゾチックで強いインパクトをもたらしています。
使われているコーラルは、エンジェルスキンとよばれる淡い色ではなく、漆のような強い朱色の物が使われ、黒色と金との強いコンビネーションは〝狂騒の時代″と呼ばれた当時の世相とも反映しているように感じられます。
直線を使った幾何学模様のデザインもそれ以前にはない表現方法。アール・デコの中でも、なかなか手に入れることが難しい分野のジュエリ－です。
指にするとすごい存在感を発揮します。
1920年代から30年代のジュエリーは、そのクリエーションと技術の高さから、世界のジュエリーファンの垂涎の的となっています。
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製作年代：1925年－1930年頃
製作国：フランス
素材；コーラル（珊瑚）、エナメル、１８Kゴールド
サイズ：コーラル部分：1.0㎝X1.0㎝
指＃１１（サイズ直し可）