2021/04/03 07:00

フランスで作られたロングチェーンは、手作りされた一つ一つのパーツにきれいな装飾を施されていてとても魅力的です。
世紀末から20世紀初頭はゴールドのロングチェーンが流行していて、バリエーションも豊か。肌触りも柔らかで手作り品質の良さを体感できます。

今回紹介するチェーンは長さが60cmで、これは元々倍の長さがあったものを半分にしたのではないかと思われます。
120cmあるととても存在感があり、アンティークチェーンのすごさを感じるのですが、洋服によっては使い辛い時もあるのでしょう。ですから、現代では実用を考えて2本に分けてしまうこともしばしば。クラスプも現代のものが付けられています。
60cmのチェーンでしたら、現代の普通の装いに合わせやすいので使い勝手はとてもいいはずです。実際に身に着けるとちょうど良い大きさと重さで楽に付けられます。


装飾は菱形の中にフルール・ド・リスを左右に並べたデザインで、表面のラインに刻み模様が施されています。フィリグリーのようにも見えますが、実際はひねった金線ではありません。そしてこの菱形と菱形のパーツを繋ぐ花(?)の様な部分は透かしのプレーンな装飾で、菱形部分と印象を変えてあります。繋ぎにこの装飾があるのがなかなか効いている感じがしますね。


身に着けた時にこの装飾が際立ち、実際のチェーンより大きさを感じさせます。いつも思うのですが、アンティークジュエリーは身に着けた時のほうが大きく見えます。それは良いジュエリーの証だと思います。
身に着けた時に本当に素敵なチェーンです。現代の機械で作られたものとは全く違う美しさを感じます。



製作年代:1900年頃
製作国:フランス
素材:18Kゴールド 16g
サイズ:長さ60cm、菱形部分1.1cm × 0.7cm
定価:¥437,800-(税込)