ソリッドゴールドの重厚なリングです。インタリオされているのは、トップにイギリスの侯爵を表す王冠。その下にイギリス式の盾。盾の両脇にスタンドしたライオン。盾の中にはライオンと三つの塔が描かれています。

インタリオの素晴らしさを理解するのには、彫り込んだゴールドの表面を見るよりも、型抜きした造形を観察する方が賢明です。一ミリ余りの厚さの中で、精巧に彫られたモチーフは、自然なラインを描き、しっかりとした陰影が細部まで精巧に表現されています。
人間の目では判別するのが困難な細部にも、美しい装飾をするすさまじさ。ジュエリー美術職人の宝飾技術の凄さが伝わってきます。

このリングに描かれた紋章は、クラウンと盾。サイドを飾るライオンのサポーター、といった紋章の正道のようなデザイン。やはり威厳があるオーセンティックな紋章に私達は心惹かれます。リング表面1.4cm×1.0cm、指のサイズ#10、ですので女性が身に着けていたかもしれません。イギリスではジェントルマンが自分の紋章を彫ったリングを、左手小指にしていますので、このリングもその可能性はあります(↓写真King Charles III）

アンティークジュエリーの素晴らしさは、身に着けた時にあからさまに実感することができます。このリングも指に嵌めた時の肌に触れるゴールドのしなやかさに感動し、指の上にある時の凄い存在感に喜び感じます。何でしょうか、この充実感は！
皆様にこの喜びを実感してほしい。

◯製作年代：19世紀後期から20世紀初期
◯製作国：フランスもしくはイギリス
◯素材：18Kゴールド
◯サイズ：＃10変更可
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