この八角形のゴールドロケットは、小さいながらも重厚でクオリティーの高さを感じさせる作品です。
厚みのあるゴールドケースの表面には、ロイヤル・ブルーと呼ばれる、深いブルーのエナメルが施され、その上に、ゴールドの唐草模様が飾られています。土台のゴールドには、エンジンターンの模様が刻まれていて、光を通すとギヨッシェエナメルが煌めきとても綺麗です。
ロケットの形状をよく見てみると、アウトラインが直線ではなく、内側にアールが付けられていて、とてもスタイリッシュな容をしています。こんな形状にするとロケットとしてはクオリティーの高さを要求されるわけですが、作られてから100年以上経っているのに、寸分たがわず完璧なロケットが機能しています。

エンジンターンの模様は、中心から八つの角に向かって放射線状に刻まれ、できた空間の三角形には横線のラインが刻まれています。
ロケットのケースの形状に合わせて、アウトラインにゴールドのラインを描き、その外側にホワイトエナメルのラインが付けられています。このホワイトのラインがあることに由って、デザインが引き締まり、より洗練された印象になっているのは重要なポイントです。そしてペンダントの中心にダイヤモンドを置き、完璧な仕上がりになっています。

20世紀初頭の美しいギヨッシェエナメルは、半透明のエナメルで、エンジンターンの模様の美しさを見せるのを目的としましたが、19世紀のロイヤルブルーのエナメルは、この作品のように、エナメルの美しさを際立たせつためにエンジンターンの模様が付けられている気がします。
ロイヤルの称号が付いた美しいブルーエナメル。ゴールドの装飾が施され、その際立つ美しさに魅了されてしまいます。
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◯製作年代：19世紀中期から後期
◯製作国：イギリス
◯素材：エナメル、ゴールド、ダイヤモンド
◯サイズ：直径2.4cm