ルビーで実を模ったオリーブの枝の中心に、リラ(lyre・古代ギリシャの竪琴)を置いたスプレーブローチ 。
全面にとても良質なローズカット・ダイヤモンドが、隙間なくセッティングされています。

上のジュエリーと類似するイラストは、ヴェルサイュ宮殿のルイ15世居室の装飾からとられたもの。
イタリア・ルネサンスの装飾を基にしていますが、フランス的な色合いの強いデザインへの変化を、明確に打ち出しています。

枝の部分とリラの部分は別々に作られ、重ね合わせて立体的に留められています。高度な宝飾技術とデザイン力が素晴らしい !　細部の処理の仕方が秀逸です。
メーカによるレジストレーションナンバーが打たれていますが、メーカーズマークは半分摩耗していて識別できません。有名なメゾンによる製作と思われます。

ブローチピンが外せるようになっているので、繋ぎ合わせて、もっと大きなブローチにできる仕様だったのかもしれません。

フランス的な優雅なデザインと、製作技術の素晴らしさが際立つ作品です。
そして、選別されたクオリティーの高いダイヤモンドが使われ、ダイヤモンドの白い輝きと、時間を掛け黒く変色したシルバーのコントラストが良い雰囲気を作り出しています。

歴史を伴う、重厚な輝きが心を惹きつけます。

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製作年代：19世紀中期
製作国：フランス
素材：ダイヤモンド、ルビー　シルバー、ゴールド
サイズ：2.9ｃｍX7.2cm

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