20世紀初頭に起こった戦争や革命は、西洋諸国に大きな社会変化をもたらすことになります。
貴族社会の終焉と共にボディスから解放された女性達の装いは、軽やかで直線的なデザインに変わっていきます。
そしてこの女性たちの装いの変化は、ベルエポックのジュエリーの終わりと、新しいデザインへの変革をもたらすことになります。

ドレスの胸元を飾ったストマッカーや貴族的なガーランドスタイルの流行が終わり、洋服のデザインにマッチするように、直線による幾何学的なデザインが生まれてきます。
それにより宝石のカットもバゲットカットやカリブレカットなど、それ以前にはあまり見られなかった直線的なカットが流行し、ジュエリーの全面に隙間なく宝石が敷き詰められました。

このスタイリッシュな美しいブローチは、透明度が高く光の強いダイヤモンドが一面にセッティングされ、フレームを感じないほどの圧倒的な輝きを見せます。
中心の二粒の天然真珠がデザインの程よいアクセントになって柔らかさをあたえています。。
胸元に着けた時に、はっとさせられるほどの存在感、。実際身に着けるととても大きく感じます。これは良いジュエリーの証。
身に着ける女性を知的に、そしてゴージャスに引き立ててくれます。

東洋のムードも感じさせるデザイン。

オールドカットのブリリアントカットと、バゲットカットのダイヤモンド。セッティングも素晴らしい。

自立した大人の意思を感じさせる官能的なこのブローチに心酔。

製作年代：1920年－1930年
製作国：イギリス
素材：ダイヤモンド、パール、プラチナ
サイズ：5.1ｃｍＸ2.1ｃｍ